空間のデッサン Gallery


「Vol.8 1/2」作品:仮 面


「仮面」シナリオ

『仮 面』 by William Nakamura
シーン1

音楽1開始 →
音楽1終了 →



音楽2開始 →


音楽2終了 →




照明、fade out
〈舞踏会にて〉 登場人物:男1名/女1名

男が舞踏会場で人ごみをかきわけ、ダンスの相手を探している。

壁際に可愛らしい女性を見つけ、手を引いて会場の中央へと誘う。二人は手をつないだまま、会場の中央に位置する。

ダンス(Renaissance Dance)の音楽が始まる。
二人は一礼をし、踊り出す。

ダンスが終わる。

二人は互いに見つめ合う。
女が片手をさし出し、男が近づいてその手を取る。
男が女性の肩に手をまわす。会場の奥へと去る二人。
シーン2

照明、fade in
〈男の部屋にて〉 登場人物:男1名

朝だ。男は目を覚まし、体を起こす。
隣に寝ていたはずの女性(ダンスの相手)の姿はもうない。
ベッドにはかすかに女のぬくもりと香りが残っている。

男はベッドから起き上がる。
見ると、置き手紙がある。次のデートへのお誘い(約束)の手紙だ。手紙の文句:「ありがとう。楽しかったわ。……………」
男は笑みを浮かべ、喜びを表現する。
シーン3

音楽3開始 →







音楽3終了 →
〈男の部屋にて〉 登場人物:男1名

デートに出かけようと身支度をする男。
ズボンをはき、上着を着て、髪をとかし、コロンを体にふりかける。ついでに口の中にも!

〈通りにて〉

花束を手にし、待ち合わせの場所に向かって歩いて行く男。
待ち合わせの場所に着く。

男は待っているが、約束の時間を過ぎても女は現われない。
姿の似ている女性は何人か通りすぎるが. . .
結局、女は来なかった。
がっかりする男。ゆっくりと歩き出す。
シーン4 〈通りにて〉 登場人物:男1名/女1名(無対象の男:2名)

しばらく道を行くと、前方に彼女の姿を見つける。
男は喜び、手を上げようとするが、どうも女の様子がおかしい。
彼女は建物の壁にもたれて立ち、街行く男達を物色するかのように眺めている。時折流し目を送るその素振りがどこか小悪魔的だ。

一人の男が彼女に近づき、両手で抱き、何やら話しかける。
彼女も笑みを浮かべながら、男の腰に両手をまわし、話の相手をする。とてもなれなれしい様子で。

男が去る時、彼女は「またね」という仕草をする。
(無対象の男、「またね」という仕草をしつつ去る。女も「またね」
という仕草を男に返す)


彼女はまた街行く男達を物色するように見ている。
先程とは違う男が彼女に近づく。
彼女は男の手を取り、自分の胸にあてる。
男が彼女の腰に手をやる。彼女も男の背中に両手をまわし、
二人は激しく抱き合う。

男(主人公)はその様子の一部始終を見ている。
疑念から落胆、そして絶望。
体の向きをかえ、足取りも危うげにふらふらと歩き出す。
シーン5―1



照明 fade out
照明 fade in
〈通りにて〉 登場人物:男1名

力が抜けたようになって、とぼとぼと道を行く男。
立ち止まる。

ふと見ると、道に仮面が落ちている。(「落ちている」というよりも「そこに置いてある」という感じだ)

男は仮面の所まで行き、仮面を手にし、しばらくそれを観察してから、顔にあててみる。
茶目っけを出して、おどける仕草をする。

と、急に体が異様な動きを示した。
おかしいと思うが、その気持ちはすぐに失せ、また笑みを浮かべながら仮面を見る。そして、顔にあてる。
また、体が異様な動きをする。

驚き、仮面を顔から離す。
「まさか。この仮面のせいでは. . . 」男は疑念でもって仮面を見る。

また、おそるおそる確かめるように顔にあててみる。しばし待つが、何も起こらない。「なーんだ。気のせいか!」
男は安堵するが、突然、また激しい動きにとらわれる。

男は仮面を顔からはずし(離し)、体から遠ざけようとする。
仮面はあたかも意志を持つかの如く迫ってくる。
抵抗する男。しかし、仮面は顔にかぶさってしまう。
男は抵抗をやめる。(男の手がゆっくりと動き、仮面のひもを結んで顔に固定してしまう)
しばしの沈黙(静寂)。
やがて、仮面をつけた男はゆっくりと静かに歩き始める。
その歩く姿は別人のようである。
シーン5―2















音楽4開始 →














音楽4終了 →
〈通りにて〉 登場人物:男1名(+仮面)/女1名

しばらく歩く(仮面の)男。

女性が後方に登場(出現)する。

男がふと立ち止まる。
が、ゆっくりと歩き始める。

女が男を物色している。

歩いていた仮面の男は何かを感じたのか、立ち止り、体の動きも止める。が、またゆっくりと歩いていた道を行く。

女が見知らぬ男と抱き合う。(女役:少し抱き合う動きをしてから、抱き合ったまま動きを止める)

歩いていた仮面の男が体の動きを止める。そして、ゆっくりと後ろを振りかえる。
「あの女が見知らぬ男と抱き合っている! 」仮面の男は身じろぎもせずにそれをじっと見つめる。

体の向きをかえ(抱き合う二人を背にして)、今度はあたかも思いを振り払うかのように足早に歩いて行く。
足取りは徐々に速くなり、ついには走り出す。
怒りと嫉妬、絶望と悲しみの感情が心と体の奥底よりこみあげてくる。そして、復讐心が!

男ははたと立ち止まり、大きな動きでもって振り返る。
そして、女を凝視(強い怒りが込み上げる)してから、激しい足取りで女の方へと向かって行く。

女のところまで行き、女の腕をひっつかみ、女の体をひきずるようにして引っぱって来る。(舞台の中央まで)

片腕で女をはがいじめにしつつ、ナイフを手にする。
(ナイフを体の後方より取り出し、ナイフの刃・きっ先を見てから、女を見る。女は男の手にしたナイフを見て恐怖におののく)
男がまさに女の体にナイフを突き立てようとしたその時(ナイフで刺そうとして振り上げた時)、男はただならぬ気配を後方に感じて動きを止める。
シーン5―3










































音楽5開始 →







音楽5終了 →
照明、fade out
〈神人(善玉の仮面=男の良心)登場 / 解放〉
 登場人物:男1名/女1名/神人1名

(悪玉の仮面)が斜め後方を見る。
すると、そこには仮面を付けた男(神人)が神々しく立っている。

(悪玉の仮面)は驚くと同時に敵対心が心中に湧き起こる。「なぜ、お前がこんなところにいるのだ!」
男は女をかかえていた腕をゆるめると、体を神人の方に向け、ナイフを振りかざして向かって行く。
既に失神している女は地面に投げ出される。

神人が制止するように片手を上げる。男のナイフが後方にはじき飛ばされる。
神人が両手を前に出す。すると、風が吹き始める。
神人が両手をゆっくりと広げていく。風はだんだんと強くなる。

男の体が風に翻弄される。
風がおさまる。

神人は虚空を両手でつかむ動作をした後、上げていく。すると、男の手も上がっていく。
男は、自分の意志とは関係無く動き出した自分の手と腕を見て驚き、恐怖する。

神人の手・腕がどんどん上がっていく。
男の手も顔にかぶさっている仮面にどんどん近づいていく。仮面を取ろうとしているのだ。
男は自分の手から逃れようと、もがく。
仮面に手がかかる。
神人、あたかも仮面を外そうとするかの如く空(くう)をつかみ、引っぱる動作をする。
時を同じくして、男は自分の顔から仮面を外す。

男は仮面を手にしたまま、しばし呆然自失の状態となっている。
神人は悠然とした足取りで近づき、男の手から仮面を取り、持ち去る。

しばし呆然としていた男は自分の手を見る。
そこにはもう仮面はない。
男は自分に何が起こっていたのかよくわかっていない。
まだ少し放心状態だ。

見ると、女性が地面に倒れている。
「どうしたのだ? 誰だろう?」
男は女性に近づいて行く。
「あの女性だ. . . 」男は驚く。

ようやく、今まで起こっていた悪夢のような出来事が心中によみがえってくる。
男はかがみこみ、いとおしそうに女性を見る。

了。(余韻をもって終わる)

◆ 使用音楽 ◆
音楽1
Cascarda Allegrezza D'amore: Caorso, Il Ballarino and Nobilita di Dame (1581 / 1600)
音楽2
Furioso all'Italiana: Fabritio Caroso, Nobilita di Dame (1600)
音楽3
Contrapasso Nuovo: Fabritio Caroso
音楽4
Miss MacDermott: Toirdhealbhach O Cearbhalliam (1670-1738)
音楽5
Priusquam te formarem: Magister Leoninus (1163-1190)




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