第1章『 基 礎 知 識 編 』
本講座は、インターネットの基礎知識から入って、Webデザインについて、さらには日本語教育・日本語学習のマルチメディア・タイトルをWWWで公開する方法というところまで話を発展させていきたいと考えております。2ヵ月に一回ぐらいのペースで更新したいと考えておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
●第1章について
講座の第1回目は、『インターネット超初心者のための基礎知識』です。

このWeb pageをご覧になっている方で超初心者という方はほとんどいらっしゃらないかと存じますが、もしかするとインターネットの事をほとんどご存じなくて利用されている方もあるいはおいでかもしれません。例えば、ご家族や学校・勤務先のパソコンをよくわからないままいじくっているというような
. . .
この章はそんなあなたのためにあります。また、インターネットを普段利用してはいるが、あやふやな知識しか持ち合わせていなかった自分のためにもまとめてみたいと思いました。
●インターネット・ブーム
さて、ここのところ、毎日のように新聞の報道でも「インターネット」が話題に取り上げられ、私たちがインターネットのことを目にしないという日はありません。Netscape
Communications 社とMicrosoft 社の熾烈なWWWブラウザのシェア争いのことや、反トラスト法をめぐる争い、更にはSun
Microsystems 社とMicrosoft 社のJAVAの仕様をめぐる確執などといった話までもが紙面に登場してきます。Mac
User の私としては、それなりに楽しませていただいていますが
. . . (^_^)

ところで、現在、日本におけるインターネット人口は500万とも700万とも1000万とも言われています。これらの数字を鵜呑みにするならば、この日本でも実に20人に1人以上の割合でインターネットが何らかの形で利用されているということになります。
ここで何らかの形と言ったのは、インターネットの用途が幾つかあるわけですが、その中でも圧倒的に利用されているのがWWW(ワールド・ワイド・ウェブ/ダブリュ・ダブリュ・ダブリュ)のHome
page(ホームページ) 閲覧と電子メール、そしてネットニュースでしょう。

インターネットに接続する場合には、一部の企業・学校・個人を除けば、大多数の方がプロバイダーと呼ばれるインターネット接続業者と契約してサービスを利用している訳ですが、先程あげたHome
page 閲覧と電子メールとネットニュースの3つはほとんどのプロバイダーがサービスとして提供しているものです。電子メールとネットニュースについては類似のものが「パソコン通信」にもあるわけですが、パソコン通信が、情報交換がそのパソコン通信内だけで行われる閉じられたネットワークであるのに対し、WWWは、世界中の様々な場所と相互にリンクしているハイパー・メディアです。これはインターネットの出現によって登場してきたものです。そしてWWWと言えば、まずHome
pageを連想するぐらい、Home
pageはWWWの花形と言ってよいでしょう。

ちなみに、Home pageという名称は正式にはWeb
pageの中のTop pageのことを指し、いわば「本」でいう表紙や目次にあたる部分です。そして、そのWeb
pageを作成して管理・運営し、情報発信している所をWeb-siteと呼ぶことはご存じかと思います。なぜか、日本ではHome
pageの名称がよく使われていますが、"Home"
が「わが家」的な響きがあり、そこにアクセスするのがちょうど誰かの家に訪問するような感覚があるからでしょうか?
ただ、私は"Web page" または"Web"という言い方を好んで用いているので、以降はこちらの名称も使わせていただきたいと思います。

インターネットには、今述べたWeb
pageの閲覧や電子メール、Netnews
以外にも様々な形態があります。ここでインターネットの利用とWWWについて整理したいと思います。
●インターネットの利用
・Web page の閲覧

HTML(エッチ・ティー・エム・エル)を柱としてJavaScript/Java/CGI等のスクリプトも用い、それに様々な形式の音声・画像データとPlug-in/ヘルパーアプリケーションで実現されるWeb
page。WWWブラウザーで閲覧する。HTML
(HyperText Markup Language) は、Web pageをレイアウトするための記述言語のことで、習得するのも容易であり、一般のText
Editorを用いて書くことができます。FTPのソフトかApple
Talkを用いてWeb pageのデータ(ファイル)をWWWサーバー(主にHTTPサーバー)に置きます。HTTP
(HyperText Transport Protocol)とは、Webサーバー上でHyperText
によりリンクされたファイルを転送するプロトコルのことで、これにより文書を他の文書とリンクさせることができます。HTTPには、FTP・E-mailといった他の種類のプロトコルを組み込む機能もあります。なお、プロトコルとはコンピュータ同士を接続して通信する場合の動作方法を定義したもの(通信方式)です。

・E-mail(イー・メール)

電子メールとも呼ばれ、添付ファイルとして様々なデータ(画像等)を扱うこともできます。その場合、ファイルの変換作業が必要となります。

・Netnews(ネットニュース)

インターネット上の公開ニュース・サーバーを利用して行われる情報交換のことで、ニュースを交換し合うグループのことを「ニュースグループ
(Newsgroup) 」と呼びます。ジャンル・テーマ別のニュースグループが世界中に複数(4桁代?5桁代?)存在し、テーマに興味のある人達が集まって話をしています。インターネット上の井戸端会議というふうに考えていただければよいでしょう。同種のものがパソコン通信にもありますが、インターネットの方は世界中に記事が配信されます。「ニュースリーダー」と呼ばれる購読・投稿用のソフトを使用しますが、最近ではWWWブラウザーに付属していることが多いようです。

・anonymousFTP(アノニマス・エフ・ティー・ピー)

FTP (File Transfer Protocol)を使って、一般に公開されているソフトや情報資源を利用する仕組み。FTPサーバーに様々なファイルが保存されます。FTPのソフトでファイルの送信・受信をするのですが、ファイルのアップロードとダウンロードをPut/Getと呼ぶ人もいます。Archie(アーキまたはアーチー)という検索システムも用いられます。なお、FTPとはファイル転送プロトコルのことです。

・Gopher(ゴファー)

anonymousFTPと似ていますが、こちらは広域検索が可能です。インターネット上のリソースを次々と検索していくシステムで、メニュー方式になっています。

・Telnet(テルネット)

Telnetを使えば、インターネットに接続された遠隔地にある別のコンピュータ・システムにログインして利用することが可能です。ログインとは、コンピュータやネットワークシステムを利用する際に、自分のログインID/パスワードを告げて認証を得る手続きのことです。
●World Wide Web(ワールド・ワイド・ウェブ)
インターネット上のリソースにアクセスするためのハイパーテキスト型のシステム。WWWの名称は、インターネットのResource(資源)があたかも世界中に張り巡らされた蜘蛛の巣
(Web) のようにリンクされていることから来ています。情報を集積するWWWサーバーとWWWクライアントを用いて分散する様々なデータを共有することになります。
ハイパーテキスト(Hyper
text)とは、テキスト・画像・音声等の情報を相互に関連づけて整理し、参照したり引用したりする仕組みのことです。
さて、皆さんは当Site
にどのようにしていらしたのでしょうか?
サーチ・エンジンで見た?
それとも、言語学・言語教育関連のLink集で知った?
他のWeb-site の掲示板(BBS)で知った?
メーリング・サービスやメーリング・リスト
(ML)で配信されるNewsで見た?
Netnewsの記事で? 関連書籍で? ま、
いろいろなケースが考えられるでしょう。しかし、おそらくサーチ・エンジンでお知りになったという方が一番多いのではないかと思います。

そのサーチエンジンの一つ、老舗のYahoo
Japan には毎日数百件にのぼるHome
pageの登録申請があるそうです。単純に考えると、何と(!)日に3桁代のHome
pageが新たに開設されているということになります。この日本において、プロバイダーによるHome
page 開設サービスが会員向けに行われるようになったのが94年の終わり頃だと言われています。それからまだ3年しか経っていないのですが
. . .
●サーチエンジン
(Search Engine)
WWWのサーチエンジン(情報検索システム)で代表的なものは、海外では、Yahoo、Infoseek、Lycos、Alta
Vista、Excite 等です。日本では、Yahoo
Japan、NTT DIRECTORY、Infoseek Japan、Hole-In-one、Goo、AcaraNavi、Dragon、Titan、CSJ
インデックス、千里眼、Excite
Japan 等ですね。これ以外にも、団体や個人によるところのものが多数存在しています。

サーチエンジンのデータ・ベースに情報が追加される方式にも幾つかあり、(1)
ページ作者がURLと内容紹介を手動登録するもの、(2)
ロボットと呼ばれる、プログラムが自動巡回してURLと一部のコンテンツを集めてくるもの、(3)
両者を併用したもの、があります。例えば、Yahoo
JapanやNTT DIRECTORYは(1)のタイプで、千里眼は(2)のタイプ、Infoseek
Japanは(3)です。

ネットサーファーを自認される方であれば、おそらく、これらを縦横無尽に使いこなしていらっしゃることでしょう。そうでないという方も、少なくともNTT
DIRECTORYとYahoo Japan の関連ページはこまめにチェックされた方がよいかと思います。また、ロボット系のInfoseek
JapanやGooで、試しに「日本語教育」「日本語教師」等のKeywordを用いて検索してみて下さい。驚くほど(あきれるくらい?)のヒットがありますよ。

ただ、大手のサーチエンジンに登録されていない日本語・日本語教育関連Webも数多く存在しています。また登録されていても検索の際にうまくひっかかってこないこともあります。そのような場合、個人(研究者・語学教師)や学術団体等が運営するWebの「リンク集」を知っていれば、そこで有益な情報を得られる可能性が出てきます。
●リンク集
言語教育関連のLinkが充実しているWeb-site・Web
pageは以下の通りです。

それぞれのSiteについてのより詳しい解説が『日本語教育通信』のLink
pageにありますので、そちらの方もどうぞご覧になってください。
1)言語学・言語教育関連

・国内言語学関連研究機関WWWホームページリスト
東北大学の後藤斉氏による『言語学、各個別語学、言語教育学とその関連領域』
に関する膨大なリンク集。http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/kanren.html
日本語編は、http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/kanren-jpn.html
です。

・CALPS上智大学応用言語学研究会のページ
http://www.asahi-net.or.jp/~jg8t-fjt/index.htm
「応用言語学・外国語教育関連サイト集」があります。

2)日本語教育関連

・Yahoo Japan 日本語教育関連ホームページのリスト
http://www.yahoo.co.jp/Education/Languages/Japanese/

・Yahoo 日本語教育関連ホームページのリスト
http://www.yahoo.com/Social_Science/Linguistics_and_Human_Languages/
Languages/Japanese/Education/

・国立国語研究所 日本語教育センター日本語教育指導普及部
http://www.kokken.go.jp/fukyubu1/cgi-bin/Index.cgi

日本語教育研修室・日本語教育研究会
http://www.kokken.go.jp/jsl/

「 国内日本語学・日本語教育学ホームページリスト」が
http://202.245.103.116/html/re/link.html にあります。

・『日本語教育通信』の言語教育関連
Link集
当Web-Siteのpageです。http://www2.big.or.jp/~hajime/nihongo/link.html


3)国語・日本語関連

・語学・国語科教育関連リンク集
弘前大学の小倉肇氏による国語科教育と日本語関連のリスト集。
http://www.fed.hirosaki-u.ac.jp/~ogura/links/links.htm

・電網和室 <日本語(国語)・国文学・国語教育のリンク集>
高校国語教師のすとん氏のWebです。
http://www.venus.dtinet.or.jp/~stone/
次に、BBS、ML、Netnews について解説いたします。
●BBS(掲示板)
BBSは、多くの場合、Web-siteの一(いち)Web
pageという形態をとっています。BBSだけのWebも存在します。同時進行のおしゃべりのようなChat(チャット)というものもあります。なお、BBSを実現させるためにはCGIというスクリプト言語を用い、これに対応するサーバーが必要です。
掲示板という名称から分かるとおり、そこでは稿読者が自由にメッセージをWeb
pageに書き込むことができ、宣伝をしたり、おしゃべりをしたり、議論を戦わせたりしています。

日本語教育関連では、アルク月刊日本語編集部が運営している『日本語教育言いたい放題』、ばばな氏の『みんなでおしゃべり』、秋月康夫氏の『つぶやき広場』、鈴木紀子氏の『みんなのわいわい広場』、森山 新氏の『にほんごひろば』、吉田一彦氏の『教授能力向上をめざす日本語教師の会議室』、日本語教育センター日本語教育指導普及部の『伝言掲示板』 といったところが主なところでしょうか。

*『日本語教育通信』のLink集に各Web-Siteの解説とURLがあります。
●メーリング・リスト(ML)
先のBBSがWeb page上で展開されるのに対して、メーリング・リストは記事がE-mailで配信され、投稿もE-mailで行います。ジャンル・テーマ別に様々なメーリング・リストが存在し、そこに登録をすることで記事の配信を受けるのです。

言語学・言語教育関連のMLで、日本語教育関係者も参加しているものには次のものがあります。

・CALPSメーリングリスト
応用言語学、外国語教育、外国語学習をテーマとするML
http://www.asahi-net.or.jp/~jg8t-fjt/subscribe.htm

・net-lang
インターネットと語学教育をテーマとするML
http://langue.hyper.chubu.ac.jp/sogo-b/netlang.html

・JAPAN TEACH-J
日本語教育をテーマとするML
http://ssd1.cas.pacificu.edu/as/jpnteach/jpnteach-j.html

*上記以外にも幾つかあるようです。
また、メーリング・サービスというのがありますが、こちらはHome
pageの新着情報を定期的にE-mailで配信してくれるものです。「教育関連のHome
pageの情報だけを配信」というように、ジャンルを指定できるところもあります。

・Net Office Nakai 『新着情報メーリングサービス』 http://www.kyoto-net.com/link/

・ファーストニューズ http://www.firstnews.com/

・Choice News http://e-jack.com/choice/

といったところでしょうか。
●ネットニュース(Netnews)
前述のように、Netnewsを購読し、記事を投稿するためには専用のソフトを用いる必要があります。Mac
OSではNewsWatcher -J がよく使われているようです。このNetnewsに投稿された記事は世界中をかけめぐり、多くの人々の目に触れることになるため、投稿にあたっては適切なニュースグループ
(News groups)を選び、ネチケット(Network・Etiquette)を十分に守る必要があります。ネチケットのゴールデン・ルールは「面と向かって言えないような事は書くべからず/言葉遣いはするべからず」です。

教育一般または言語・言語教育関連の記事が購読・投稿できるニュースグループは、以下の通りです。fj
とjapan は日本語が使えます。
・fj.sci.lang 自然言語に関する話題を取り扱う
ここは言語学畑の購読者が多いようで興味深い話題が多く、日本語学・
国語学の話題もよく出てきます。

・sci.lang.japan 日本語に関する話題を取り扱う

・japan.lang.japanese 日本語に関する話題を取り扱う

・fj.education 教育一般に関する話題を取り扱う

・fj.education.announce 教育に関するアナウンス
ここはたまに教員公募の情報がありますが、日本語教師の
募集は見たことがありません。

・fj.meeting セミナーや研究会、講演会等の情報
さて、昨年(97年)のことになりますが、新聞で、某企業の新入社員の約9割が学生時代よりインターネットを利用しており、会社の就職情報もインターネットで得たこと、更にはWebを運営している者も何割かいるとの記事を目にしました。その企業の場合は、電気機器メーカーだということもあり、多少割り引いて考える必要があるでしょうが、確かにインターネットが急速に普及してきているということは事実だと思います。

ひるがえって、日本語教育の分野ではどうでしょうか?
同じ言語教育の分野でも、たとえば英語の先生などと比べると、インターネットを活用している比率は日本語の先生の場合、かなり低くなるようです。私のまわりには、未だにインターネットをやるのは「オタク」だと思っている先生がかなりいますし、インターネットで情報を発信する意味・意義を全く認めようとしない方も何人かいらっしゃいます。

しかし、私は、日本語教育に携わる者こそもっとインターネットについて知り、積極的に活用すべきであると思っています。皆さんはどのようにお考えでしょうか?
最後になりましたが、日本語教育におけるインターネット活用の可能性について以下に記したいと思います。これらは、徐々に現実のものとなってくるでしょう。(6)
などは既に行われていますよね。

1)インターネット会議システムを用いて、教師と複数の学習者とが
同時進行で授業を行う
2)学習者がインターネットで提供されたマルチメディア教材で学ぶ
3)練習問題の答案を学習者がE-mailで送り、教師が添削して返信する
4)インターネット電話を用いて会話等の授業を行う
5)日本語教育・日本語学習リソースをデータベース化し、自由に利用
できるようにする
6)教師のネットワークを構築し、意見交換および情報交換をする
第1回目はここまでです。
では、この続きは次回にて!
98.03.14 By NAKAMURA Hajime
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